モローラ -灰ー [日記]
南アフリカの女性演出家、ヤエル・ファーバーが
ギリシア悲劇「オレステイア」3部作を、
南アフリカを舞台に翻案した作品を見に行きました。
映画のコメントを担当しているNHK BS2の「週刊なびTV」をきっかけに知ったのですが、
コロス(コーラスの元で舞踊合唱隊のこと)を演じる、
ンゴコ女性文化合唱団の声を生で聞きたい!と思ったからです。
南アフリカ共和国内のアフリカ人自治地域のひとつ、
トランスカイ地方の奥地に住むコーサ族の合唱団で、
子供の頃から倍音唱法の訓練を受けているそうです。
でも今の女性たちを最後に、
もうその歌唱法を引き継ぐ人はいないのだとか。
日本初来日にして、
これは最後のチャンスかもしれない!
と思い、出かけたのですが、
生活の中に歌がある人たちの、
気負いない、
ただ歌う感じが舞台の上でとても新鮮に見えました。
何かをしようとしているのではなく、
ただ、何かをする人にとても魅力を覚えます。
彼女たちは、生活の中で普通に使っているという、
シンプルな楽器を奏でながら、足を踏み鳴らし、
喉唱と言われるその歌い方で、
それぞれの倍音を聞かせてくれました。
復讐の連鎖の停止を描いた、
とてもいいお芝居でした。
アパルトヘイトから民主主義へ無血移行した、
南アフリカのことをもっと知りたいと思いました。
虐げられてきた人たちが、
どのように許したのか。
私が今まで許せたことなんて、
とても小さなもので、
人種差別を受け続けた人たちの復讐心は、
けして分らないけれど、
それでも想像を超えるその大きな許しを思うと、
静かな強い力が自分の中に生まれる気がします。







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